『仮想通貨の教科書』 第2章 ビットコインが非中央集権を実現している仕組み その4
『仮想通貨の教科書』の 第2章 ビットコインが非中央集権を実現している仕組み を読んだのでメモ続き(その1,その2,その3はこちら)。
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2.4 インセンティブとPoW
2.3ではビットコインの技術的な側面から説明していたが、ここでは「インセンティブ」という今までの分散型合意形成ではなかった概念を導入することで今まで解決できなかった問題を解決している。
具体的にここでいう「インセンティブ」は何か。
それは2つあり、
・ブロック作成報酬
・取引手数料
である。
ブロック作成報酬
2017年現在ではブロック作成報酬は12.5ビットコインで、約4年毎に作成報酬が半減していく仕組みになっている。
2009年の作成報酬は50ビットコインで2013年は25ビットコインと減るようになっている。最終的にビットコインの総数が2100万ビットコインになった時点でブロック作成報酬がなくなる仕組みになっている。
このブロック作成報酬があるとなぜ分散型合意形成がうまくいくのか。
もしかしたら、悪意のある利用者が自分にとって都合のいいブロックを作成し、かつ、ブロック報酬を受け取る、ということになりそうである。
しかし、実際はそうはならない。なぜなのか。
それは、ブロック報酬を手に入れるためには
・長期的に合意されたチェーンの一部に含まれなくてならない
この点が重要なポイントである。
もし悪意のある利用者が自分の都合のいいブロックを作成しても、他の利用者のチェーンに取り入れてもらえなければ報酬も都合のいいブロックの承認もされない。
加えて、他の利用者も自分が作成したブロックを今後長く伸びないチェーンに追加してしまってはブロック作成報酬が貰えなくなってしまう。
そのため、ブロックの作成報酬のためにも誰もが有効でこれからも長く伸びるチェーンを作成しようと考え、行動することで有効なチェーンが作成され、分散型合意形成もうまく作用するのである。
取引手数料に関しては次回。
所感:
ブロック作成報酬が12.5ビットコインなので1ビットコインが200万だとすると
2600万・・・
GMOがマイニングに参戦したくなる気持ちもわかる。
しかし、ビットコインの電力消費が世界的に問題になっている。
マイニングの際にハッシュ値計算を大量にしなくてはいけない。
この部分だけ見ると、PoWの仕組みには限界があるように思えてしまう。
【国際】ビットコインのマイニング年間電力消費量33TWh。将来は日本と同等との予測も | Sustainable Japan
ビットコイン自体には多くの問題があるのは間違いないと思いますが
将来的に仮想通貨の技術が世の中で活かされていくのもまた事実だと思います。
そのためにも、今、ビットコインやその他の仮想通貨の価格の乱高下で一喜一憂するのではなく、
どんな技術でどう活用できるのか、を知っておくといいと思います。
そのほうが長期的にみたらお得かも。